テクニカルインフォメーション
遺伝子発現計測、レポーターアッセイからATP、活性酸素測定まで
化学発光(Chemiluminescence)や生物発光(Bioluminescence)は、ATPアッセイや活性酸素・抗酸化能測定から、ルシフェラーゼをレポーターとした遺伝子発現解析など、多岐にわたる分野で利用されています。アトーの発光検出装置はマイクロプレートからテストチューブ、ディッシュなど多様なサンプル形態に対応し、生命科学の先端で活用されております。
型式・製品名 | AB-2270 ルミネッセンサーOcta | AB-2350 フェリオス | AB-2550 クロノスDio |
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検体数 | 1検体 | 96/384検体 | 8検体 |
検出器 | 光電子増倍管(PMT) | 光電子増倍管(PMT) | 光電子増倍管(PMT) |
検出方式 | フォトンカウンティング | フォトンカウンティング | フォトンカウンティング |
容器 | φ12mm×55mmチューブ 1.5mL遠心チューブ |
マイクロプレート96well/384well | φ35mm培養ディッシュ |
温調機能 | 室温 +5℃~40℃(オプション) | 室温 +5℃~40℃ | 室温 -5℃~45℃ |
CO2ガス導入 | × | × | ○(5%調整) |
保湿 | × | × | ○ |
試薬分注 | ○ | ○ | × |
色分離機能 | ○ | ○ | ○ |
装置制御 | 本体パネル | PC制御 | PC制御 |
リポータージーンアッセイ
遺伝子発現解析法の1つ、リポータージーンアッセイ(Reporter Gene Assay)において、リポーター遺伝子にルシフェラーゼを用いたものをルシフェラーゼアッセイ(Luciferase Assay)と言います。
ルシフェラーゼを用いて遺伝子発現解析を行うと、発光量から目的の遺伝子の発現量を定量的に調べることが可能です。
ルシフェラーゼアッセイ(シングル)
ベーシックなルシフェラーゼアッセイ法です。
キット化されているものが多くあります。
細胞の活性や数などが問題となり、サンプル間のデータ比較が難しい場合があります。
そのため、内部標準を設けることができるデュアルルシフェラーゼアッセイへの切り換えが進んでいます。
デュアルルシフェラーゼアッセイ
2種類のルシフェラーゼ遺伝子を使うルシフェラーゼアッセイです。
目的遺伝子のプロモーターと1つ目のルシフェラーゼ遺伝子を連結、安定して発現する遺伝子のプロモーターと2つ目のルシフェラーゼ遺伝子を連結してアッセイを行うことで、
2つ目のルシフェラーゼを内部標準とし、サンプル間のデータ比較の信頼性を上げることができます。
2種類のルシフェラーゼを使用するため、至適条件の異なる発光基質を2回添加する必要があります。
マルチカラールシフェラーゼアッセイ
2~3種類のルシフェラーゼ遺伝子を使うルシフェラーゼアッセイです。
3種類のルシフェラーゼに対して1種類の発光基質を1回添加するだけですべての遺伝子発現を計測できます。
よって内部標準と2種類の遺伝子発現を同一サンプルで計測が可能です。また条件変化による発光量のばらつきの問題も起こりません。
3色が同時に発光するため、計測器には色分離計測機構が必要になります。各種ルシフェラーゼアッセイのアトールミノメータ対応表
ルシフェラーゼアッセイ(ライブセルアッセイ)
細胞破砕せず、培養しながら測定をする方法です。
分解促進シグナル(PEST 配列など)を付加したルシフェラーゼ遺伝子を用れば、細胞内でのルシフェラーゼの寿命を短くできるので、プロモータ活性の変化への追従が向上します。
各種ルシフェラーゼアッセイのアトールミノメータ対応表
測定法 | AB-2270 | AB-2270-R | AB-2350 | AB-2550 | AB-3000B |
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ルシフェラーゼアッセイ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
デュアルルシフェラーゼアッセイ | ○ | ○ | ○ | × | × |
マルチカラールシフェラーゼアッセイ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ライブセルアッセイ | × | × | △ | ○ | ○ |
製品紹介
Clucレポーターアッセイキットは、ウミホタル由来の分泌型ルシフェラーゼの遺伝子・ベクターと発光基質を含む、レポーターアッセイキットです。
細胞外に分泌されるという特長を持ち、細胞毒性も低いことから、長期間の培養に対応できる他、細胞や組織外に分泌されたルシフェラーゼを回収しつつ経時的な変化を調べるexo vivoの測定系を作ることが出来ます。